CARA-CAROイベント部〖薬草精進料理と大和当帰の里〗イベントレポ③

CARA-CAROイベント部主催、3月29日に行われた〖薬草精進料理と大和当帰の里〗イベントレポその3です。

今回のイベントは奈良にある薬の町 高取と大宇陀を巡る贅沢なバスツアー。

ポニーの里ファームさん@高取町で大和当帰を満喫したレポはこちらからご覧ください♩

大願寺さん@大宇陀で薬膳精進料理で心身ともに満たされたレポはこちら♩

 

大願寺さんでの昼食ですっかり満たされた一行は歩いて次の目的地:森野旧薬園へ向かいます。

信号を渡って1本入ると、「宇陀松山地区」と呼ばれる重要伝統的建築物群保存地区に。

約200軒の伝統的建造物が残る静かで風情ある町並みを眺めながら歩いていきます。

参加者さんにお渡しした資料には、歴史や小ネタなんかもたっぷり盛り込ませていただきました。

ここでも色々語りたいのですが、参加された方への特典ということで…

 

森野旧薬園入口

森野旧薬園は、1729年に森野家10代目当主 森野通貞(通称藤助、号賽郭)が開いた日本最古の私設薬草園です。

森野旧薬園についても語りだすと止まらないのですが、何と言っても特筆すべきは半自然半栽培という特殊な管理環境だと思います。

「手入れが行き届いてない」なんてご感想もあるようですが、そこが良いのです。

2010~2011年に行われた調査では、環境省奈良県レッドデータブック掲載植物が28種もあり、なんとその内8種が自然繁殖していることが確認されました。

この絶滅しそうな8種類の植物にとっては、ここが最後の楽園かもしれません。

今回のお目当て、カタクリもその1つ。

森野旧薬園のカタクリ

カタクリ奈良県絶滅危惧種(絶滅危惧Ⅱ類)ですが、森野旧薬園内の草地斜面には約13000個体が群生しています。

カタクリユリ科で、球根(正しくは鱗茎)が本来の「片栗粉」の原料になります。

現在の片栗粉はジャガイモから出来ていますが、本来はこのカタクリから出来ている超高級品なのです。江戸時代には森野家から徳川幕府に献上されていました。

ユリ科の植物、例えばタマネギやニンニクにしてもチューリップにしても球根で増えますが、カタクリは種で増えます。

しかも、種から花が咲くまで7~8年かかると言われています。

カタクリの群生地・いっせいに花が咲く光景は、その地を連綿と守り続けることでしか成し得ないのだなぁと感動ですね。

さて長くなり始めました💦

2019年3月下旬に森野旧薬園で見られた植物を少しだけご紹介します。

 

沈丁花・アミガサユリ・レンギョウ

左上:沈丁花 とーっても良い香り。風に乗って割と遠くからも香ります。

右上:アミガサユリ 白と緑のコントラストで織りなす模様がレースみたいで可愛い。

生薬名 貝母として、清肺湯や滋陰至宝湯に配合されています。

清肺湯は最近ダスモックという商品名でOTC出ていますね。

下:カタクリレンギョウ レンギョウはよく園芸種が公園などに植えられています。

実を連翹(れんぎょう)という生薬として使い、ナイシトールでおなじみの防風通聖散なんかにも入っています。

 

アマナ・オウレン・クチナシ

左上:アマナ 山茲姑と呼ばれ食用として滋養強壮に。

右上:オウレン あまりじっくり観察出来なかった&写真が悪く種類まで分からず。

生薬名は黄連。温清飲や黄連解毒湯、瀉心湯類などの漢方薬に配合されます。

オウレンと言えば牧野富太郎博士や丹波黄連が思い出され…やっぱり語りだすと長くなるので自重。

下:クチナシ 栗金団などの着色料として有名なクチナシ

生薬名は山梔子(サンシシ)。これも温清飲や黄連解毒湯に入っています。

黄連と山梔子のタッグがポイント。どっちも白いお花が可愛くて、薬用部位は黄色で苦い。

 

参加者さんも植物観察。

カタクリとサンシュユ

右上に見切れている木は山茱萸(さんしゅゆ)。徳川吉宗より下賜されたという歴史ある古木です。樹齢約300年。

最近は花の数も少なくなって、枯死寸前の様子…

ご興味ある方は早めに会いに行ってくださいね。

 

ホワイトネトルことオドリコソウ

 CARA-CAROの石橋先生が懸命に写真を撮っておられるのは…

『これ、ホワイトネトル!メセゲも気に入ってよく使ってるのよ』

だそう。このお花、前から気になっていたんです。勉強になります~。

 

植物観察後は良質な吉野葛などなどをお土産に購入しました。

朝から夕方まで奈良の歴史と薬草をたっぷり堪能したバスツアーもこれで終了。

お付き合いくださいました皆様、ありがとうございました!

 

森野旧薬園さんでは6月9日(日)まで、資料室で春季展覧会を開催しています。

森野旧薬園さんと大阪大学総合学術博物館資料基礎研究系が主催の、学術要素強めの展覧会です。

今季のテーマは【森野旧薬園の守人たち】。

森野旧薬園には牧野富太郎博士や昭和天皇がいらっしゃっていたことは知っていましたが、

ツムラ創始者アステラス製薬創始者にも所縁があるそうで…勉強になります。

宇陀の町並み、薬園の植物たちとともにご鑑賞ください。

森野旧薬園さんのウェブサイトはコチラ

 

 

午前中はポニーの里ファームさんで大和当帰の植え付け&収穫体験♩→イベントレポはこちらから

昼食は大願寺さんで薬草精進料理♩→イベントレポはこちらから

  

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